「最新のがん情報を知りたい全てのひとに」 おすすめ度:
投稿日:2007-10-23
あとがきによれば、著者はこの本を全く一人で書き上げたとのことで、安易な分担執筆が多いこの頃としてはその真摯な態度に先ず頭が下がる。しかも、個人情報の公開であるとユーモラスに言いながら、自身の前立腺の生検像と大腸ポリープ切除像を載せていることは、この本の雰囲気をとても暖かくしている。を内容は12の話題からなっているが、特に最近興味深い、緩和医療、インフォームドコンセント、がん検診を取り上げ詳しく解説している。表紙に「患者さんと家族のための本」とうたっているが、その方達にはやや難しいかも知れない(原著論文を参照せよと言うなど)。が、他の分野が専門の医師・コメデイカルで、しかしながら日常的にがんの問題にも関係せざるを得ない人たち(私もその一人)にとっては絶好の情報源として強くお勧めする。ただ、もう少しイラストがあれば理解しやすいと思われる。
今年、がん対策基本法が施行され、がん対策推進協議会が全国的に活動し始めた時期に一読するのにも最適と言える。著者はこの四月から日本対がん協会会長となったが、その立場で国民にがん検診の重要性・必要性を理解させる本を出版されることを期待したい。