「きれいに食べて、きれいに出す」 おすすめ度:
投稿日:2003-07-21
「感染症」と聞いて、「あの病気この病気」と名前は浮かんでも、どんな定義で、どんな原因があるのか答えられる人は少ないだろう。
最近の感染症禍を考えれば、感染症をけっして教養とかでなく、必要な知識として知っておかなければならないように思えてくる。そんな必要性を十分満たしてくれるのがこの本だ。読んだあと、汚れていた台所や風呂場をついつい掃除してしまった。
本の構成は、始めに感染症というものが寄生虫・細菌・ウイルスなどから起こる病気であることを概説し、そのあと経路別に(飲食物を介して起きる、動物や昆虫を介する、など)それぞれの代表的な感染症を取り上げるといったもの。最初の部分が取っつきやすくなっているので、読みやすい。
計算上では、われわれが毎日排桊??している糞尿の、なんと半分が細菌でできているのだそうだ。きれいに食べて、きれいに出すといったことの大切さを実感する。
「エイズやエボラ出血熱以上に、もっとどうもうなウイルスが人類の前に出現しない保証はありません」と書かれている。いみじくも、2003年の春にはSARSが世界的に流行したわけだ。
では、これら感染症にどのように接していったらよいか。著者は「排除よりも共生」を、と強調している。交通や開発の技術が進めば進むほど、病原体と接触する機会も増えるわけだ。感染症の病原体とこれからどのように「仲良く」やっていくか、だれもが考えなければならない課題だろう。