「おススメ!」 おすすめ度:
投稿日:2002-06-10
初めて買ったイチローの本ですが、とてもよいです。そもそもイチローファンの心理としては、自分以外の人達はいったいどんなふうにイチローを見ているのかが知りたい。この本はアメリカのジャーナリストの目にイチローはどう映ったのかを、実に客観的に、上手に書いてくれてます。つい引用したくなるようなしゃれたフレーズが随所にちりばめられ、今もよみがえる数々の名シーンが彼ならではの視点から語られます。ヒイキのヒキタオシみたいなこともなく、理屈をこね回すでもなく。この本を読むと、つくづくイチローはアメリカに行ってよかったと思います。シアトルはとてもあたたかく、尊敬の念を持ってイチローを受け入れてくれたことがわかります。
「面白いから読みなさい。」 おすすめ度:
投稿日:2002-04-30
「シアトルタイムズ」のマリナーズ番記者が日本国内用に書いた本である。
しかし、日本人におもねることもなく、「イチロー」という「ファーストネームで呼ばれる腕の細い、身長5フィート9インチ(約175センチ)、体重160ポンド(約73キロ)の標準的な体格のそのへんを歩いているごく普通の男」が2001年のメジャーリーグでいかに驚くべき活躍を見せたかが語られる。
著者のボブ・シャーウィンは2001年シーズンが始まるまで、「イチローがこれほどすばらしい選手であることを知らなかった」と懺悔する。
ま、肝心のマリナーズのピネラ監督も、イチローに対する当初の期待があまりに低すぎたことを認めるくらいだからしかたない。
間違いを認めてからのシャーウィンのイチローに対!!する評価は、潔いまでに変わる。
現役の選手はもちろん、歴代の伝説的な選手との比較(リザルトはもちろん、人格までも…)、他チームの選手や監督、コーチの感嘆の声も随所にちりばめられ、自分もどうやったら「クール」になれるかな、なんてちょっと夢を見させてくれる本である。
ただ、著者はもっとイチローの生の声を聞きたがっている。
「日本の皆さん、なんとかしてよ」と訴えるために書いたような気もする本である。
「イチローはなぜ取材を制限するのか」 おすすめ度:
投稿日:2002-04-05
著者ボブ シャーウィン氏は冷静にイチローとその周辺の人々、出来事を綴っていて、好感を持ちました。
既にこの場に寄せられた感想からわかるように、この著書ではたくさんの米国野球関係者の発言が登場する。それらとそういう調べを積み重ねてこの著書を書き上げようとする著者の姿勢が、偏りのない内容をもたらしたのでしょう。
ところで、本文中およびあとがきに、著者は、どうしてイチローは心を開かないのか、と悲しむ(私にはそう、著者がうーんとうめく声が聞こえるようだ)。投手の佐々木さんとイチローがある時、取材の完全拒否を発表し、数日後にそれを解除するくだりがります。
私は、日本で、および米国へ移ってからも、悪しき人々(報道関係の一部の)が日夜年中、二人を追いかけ回す悪し!!き行為がその原因であろうと推測します。
イチローがよく言う、「ここのお客さんたちは野球をよく知っている」とは、(彼らが)選手への節度ある接し方を知っている、そういう意味もあるのだろう、いや、そのようにもあるべきだと私は信じます。
「一読の価値はあるが」 おすすめ度:
投稿日:2002-02-22
なかなか面白い本でほとんど一日で読んでしまった。一番面白い部分は他チームのGM、監督、選手たちの証言で、テレビ、雑誌を通じてすでに知っているものも多かったが、改めて読んでもやはり面白い。とりわけ愉快なのはクリーブランドのGM、ジョン・ハートの言葉で、
「プレーオフでの我々に対するイチローのプレー、あれはいけない。あれじゃあ、不公平だ」
これには思わず顔がほころんでしまう。
文章のリズムはいかにもアメリカン・ジャーナリズム。さして特徴的な部分はなく、もっと文章に力を持っている書き手なら、より劇的に書けた気がしないでもないが、対象自体が素晴らしいので、それでも惹きつけられてしまう。訳には多少の問題があり、いくつか日本語としてこなれていない文章が!!みられた。
イチローのファンなら一読の価値あり。ただし、これだけの材料をそろえているなら、もっと深くイチローの「プレー」に踏み込むことも可能だと考える物書きも少なくないだろう。
最後に付け加えておかなければならないのは、これはシアトルのジャーナリストが書いた本だということである。それだけにシアトルから出ていったものにはかなり厳しい評価を下していて、ランディ・ジョンソンには人格面にすら攻撃が及んでいる。この本だけでランディ・ジョンソンやアレックス、ジュニアを知った気になられてはたまらないという思いが私にはある。
「ICHIRO-メジャーを震撼させた男」 おすすめ度:
投稿日:2002-02-18
マリナーズ担当記者による良質のイチロー本である。
著者は、ピューリッツァー賞にもノミネートされたことのある実力派ライターである。良き市民でメジャーリーグ報道のベテラン記者がイチローをどう見たかが良くわかるし、米国人が野球をトータルに愛していることも伝わってくる。ドジャースのシェフィールド外野手が、アレックス・ロドリゲスの高給をやっかみ、イチローとシェフィールドのトレード話に発展したとき、マリナーズの責任者は、シェフィールドを叱ったという。「我々のチームの一員として、セーフコ・フィールドで野球をし、ファンと触れ合いたいという、イチローの考えが好きなんだ…。給料が安いと文句をつける短気なスーパースターを連れてくるなど、ファンは望まないだろう。私も同じだ」
4月11日、オークランド・コロシアムでイチローが魅せた「ザ・スロー」で捕殺されたロング外野手が、8回表に、ブーンの打球を全力で追ってフェンスに激突、間一髪で落球したこと。それで多少疲れも残ったことも挿入されている。また、「ひどく寒い中で、7回までベンチで座っていて、あんなふうに投げられる選手はいないよ」(ビューナー)も挿入されていて、公平で広い視座に感心させられる。ピネラ監督のコメント「洗濯物をいっぱい干せそうなスローイングだったよ」のユーモアも良い。
イチローは卓越した野球の才能をもつと同時に、良き市民であり、心から野球を愛していることが、米国人の心を打ったのだと思う。この本は、日米間で最高のコミュニケーションをした男の物語でもある。