「かなり本格的な中国医学史」 おすすめ度:
投稿日:2005-10-26
新書だとおもってバカにしてはならない。本書は専門家からみてもかなり参考になる、本格的な中国医学史である。正確には医学書史であるという指摘は正しい。特に、中国においては、北方系=鍼灸と南方系=湯液(漢方)の二大潮流があったとされている中、そのどちらにも目配りをした、バランスの取れた記述が光る。ある程度予備知識のある方には是非お勧めしたい。
日本漢方や日本鍼灸は本国とはかなり違った独自の深化を遂げており、それを正確に理解するためにも本国の医学史の理解は必須なのである(日本においては時代の下った金・元・明の医学が先に導入され、後から古い時代の医学が輸入されたという「ねじれ」が存在する)。
「けっこう専門的な医学エッセイ」 おすすめ度:
投稿日:2003-03-16
中国における医学(日本の中国医学つまり「漢方」ではない)の歴史を、医学史上重要な古典文献の紹介を柱として解説する。新書とはいえ議論はけっこう細かく、初心者向けの概説書というよりは専門的な医学エッセイという感じで読みごたえがある。ただ、文献ごとの議論が中心であるため、中国医学全体の流れがいまひとつつかみにくい感じがした。
「医学史というよりも医学書史」 おすすめ度:
投稿日:2002-04-19
東洋医学と言えば漢方薬と鍼灸と言われるくらい中国医学は日本人の健康には大きな影響を及ぼしてきた。その源流である中国医学がどのような発展を遂げて来たのか、日本の東洋医学はどのように影響されて来たのかは大いに興味のある課題である。この本を治療法としての中国医学の発展という観点から期待すると失望する。勿論医学の発展についても記述されてはいるが、むしろ気の理論、それに基づく人体の経絡の発展、流派の発生、著者の分析、新理論提唱者や編集者の役割など記録として残っている医学書の分析と分類の観点から書かれており、期待するような治療法そのものの医学的な意味や発展と言った観点は少ない。著者の専門性にもよるが、これだけ日本人の生活に密着している東洋医学の治療法や診断法と!!しての発展がどのような変遷と発展を辿ったかを述べた方が多くの読者の関心をひくであろう。