「医者に何を質問すれば良いかが分かる」 おすすめ度:
投稿日:2008-03-06
著者は「手術や麻酔に関する基礎的情報の開示が遅れているため、インフォームド・コンセントが真の機能を果たせていない」という問題提起を行っている。
解決策として術前、術中、術後の各段階に分けて手術や麻酔に関する知識をわかりやすく説明し情報開示の促進を図ろうとしている。本書の価格が安いのも、多くの人に読んでもらいたいからだろうか。内容的には『4つの麻酔法』や『全身麻酔が人体に及ぼす影響』を重点的に説明することで、我々素人が実は麻酔について誤解していることを気付かせようとしているアプローチが特徴的だ。「執刀医はわかるが、なぜ麻酔科医の術前問診が必要なのか?」という素朴な疑問にも良く答えてくれており好評価だ。
また、著者が提示する最重要キーワードは『侵襲』であり、医療行為の本質を理解するために必須の概念だろう。一部に専門用語が出てくるが、私たちが医療を理解するためには許容範囲内だろう。全体的に著者と編集者の息が合った本のように感じる。
「読みやすい・分かりやすい」 おすすめ度:
投稿日:2007-04-22
外科手術の状況を麻酔科医の視点から説明した良書。非常に読みやすく、分かりやすい。これから手術を受ける患者さんやその家族、医師を目指す学生などに向いた本だと思います。マスコミの底の浅い取材や無責任な口コミ情報もあり、外科手術は正しく伝えられているとは言えません。そうした情報ギャップを埋めるには本書は最適です。
「一般だけでなく研修医にも推薦」 おすすめ度:
投稿日:2007-03-07
麻酔科で勤務する者として常々感じているのは、我々にとって常識であっても、それ以外の人々にとっては、たとえ医療関係者であっても必ずしも常識ではない、ということである。術前に説明をするが、麻酔や手術を施す側がどうしてこんなことを説明しているのか、なぜ承諾書に署名する前に考えてほしいと思っているのか、その点が説明を受ける側に今一つ分かってもらえない。麻酔関係の書物としては、専門書は概して一般には分かりづらいし、逆に一般向けに出版されたものは、簡略にすぎたり、麻酔に関する危険性に重点を置いたものが目につき、両者を程よく包括しているものは少ないと感じていた。本書はそんな数少ない書のひとつである。これから麻酔という医療を受けることになった患者さんとその家族だけではなく、これから麻酔科研修をはじめようとする研修医にも、本書を一読することをすすめたい。
「大学の講義みたい」 おすすめ度:
投稿日:2002-05-19
著者は麻酔科教授。非常に真面目な人柄で優秀な業績もある(学者としては一流である)。しかし、である。医療従事者向けならいざしらず、一般新書として書き下ろすのならもうすこしユーモアとか、通常では知りえない「とっておきの話」、実際の患者の心情など描写できなかったものかと思ってしまう。麻酔科医は術者の腕をまざまざと観察する立場にあるのであるから、もっと赤裸々に語ってほしかった。それが密室的日本の手術室からのメッセージになると思うのだが。タイトルから想像するよりずっと「固い」中身に、「大学の講義ではないんだから」と戸惑ってしまったのは私だけでしょうか。
「いわゆる暴露本ではなく・・・」 おすすめ度:
投稿日:2000-11-24
最近の医療事故から想像すると、はやりの暴露本のように思われる方もいるかもしれませんが、この本はそういう類のものとは違います。現代の医療界において決して欠くことが出来ないにも関わらず、その存在があまり知られていない?麻酔科医の目から見た手術というものの本質が書かれています。実例を織り込みながら手術の全課程を出来るだけ平易な言葉を使って解説してくれています。医療関係者はもちろん、本人・家族など手術を経験した方(する方)は一読して損はないと思います。