「良書」 おすすめ度:
投稿日:2006-03-22
心療内科を将来、専門にしてみようとしている人にとって、心療内科の創始者とも言える 池見 酉次郎先生の書かれたこの本は、現場の雰囲気を知るには好いと思います。
新書ですので、それほど時間は取らないと思います。
「心療内科の啓蒙書」 おすすめ度:
投稿日:2006-03-14
一読、心療内科ってすごい、自分もやってみたいと思った。文章はこなれており難しい用語は説明しながら使われている。提示される症例も印象深くて著者の説明がピタリと来る。最近の動向はこの本では分からないけど、入門書としては最適じゃないでしょうか。
「初心忘るるべからず」 おすすめ度:
投稿日:2005-10-08
紹介されている症例を見れば、それだけで現行の心療内科医療とは掛け離れていることが、医療の素人である読者であってもわかるであろう。患者を自宅に住まわせ、共同生活をする、という医療はさすがに実行不可能である。逆に、この時代であっても池見先生が実行できた、ということはスゴいことである。皮肉ではなく心から感嘆を惜しまない。
残念ながら今の心療内科の動向は、bio-physio-socio-medicineという、臨床を離れた基礎的研究の方向へ関心がシフトしてしまっている。実際の臨床ではカウンセリングという本来のあり方よりも、SSRI(選択的セロトニン再吸収阻害薬、副作用の少ない抗うつ剤)や精神安定剤によって薬漬け状態にあるのが現状だ。それは精神療法に対して極端に低い保険点数しか与えないという保険行政にも責任の一端はある。
むしろ、本書は一般読者にではなく、心療内科専門医に初心を思い起こして頂くために存在し続ける価値がある本なのかもしれない。
「時代の風」 おすすめ度:
投稿日:2005-09-23
初版は1963年。
心身医学について、心療内科について、できたばかりのそれらがいかに画期的であるか、華々しく宣伝するかのような筆致である。
紹介されている疾病の名称や概念の面でも、具体的な事例の面でも、隔世の感が否めない。
熱意に溢れた当時の雰囲気が閉じ込められている、いまや歴史的な資料である。
これだけの時間が経つと、心療内科医も世代交代が進んでいると思われる。
現在および将来の心療内科なるものを考えるとき、かつての姿を振り返ることで得られる知見もあるだろう。