「共感できる部分が多いです」 おすすめ度:
投稿日:2003-12-13
著者はこの本で、小児科医の立場から、親のストレスなどから一時的にせよ広い意味での愛情遮断があれば、子供の病気を誘発したり助長することがある、親が子供に注ぐ愛情とは、成長していく子供の心と身体にそれほど大きな影響を与えるものである、だから子供のちょっとした変化があれば、それを親としての自らの姿を見直すキッカケとしてほしい、と訴えています。
私自身も親の愛情遮断状態のようなものから拒食症になったりして苦しんでた経験がありますので、とても納得ができます。
今、私も著者と同じような年齢から著者と同じ病気を友として、著者と同じように子供を持つ身ですので、著者の経験にも共感できることが多く興味を持って読むことができました。また、たとえば子供のチックなどは私にも経験があり、とても納得して当時を思い返すことも出来ました。
頑張って子供を産んで良かった、子供を持って幸せが多くなったとの思いを新たにすることもできました。
小児科医として、日々成長されている著者の率直な文章は敬意に値するものなのですが、ただ一つ、気になった一文がありました。それは、「慢性的な病を抱えた患者さんは、年齢に関係なく暗い人が多い」というものです。著者の気持ちは充分に解りますし、実際そう感じられても仕方はないのかもしれません。しかし、著者自身が慢性的な病気をかかえた患者さんのはず。医師として、一人の人間として、同じ患者として、言下にそう断言してしまうのはどうかな、と思いました。著者がいろいろと勉強させてもらっていると言う「病気のお子さんたちその家族」と、その「暗い患者さん」とは何も変わるものではないと思います。どの患者さんにも、家族があり、様々な思いや複雑な悩み、そして喜びがあるのではないでしょうか?何度も入院していると、どんなに一見「暗い」かのように思える患者さんからも、教わるところはたくさんあると感じています。・・・その一点は、少し気になりました。
しかし、全体的には、同じ1型糖尿病の人にも、お子さんの心の問題で悩むお母さんにも、わかりやすく説明がされており、子供を育てていく上で知っておくべき内容で、とても役に立つ本ではないでしょうか。その時々の親の立場ではなかなか判りにくい子供の状態が、多くの場合親と合わせ鏡のようになっている、ということに、たくさんの人に気付いてもらいたいと、私も思います。